研究所

科学のチカラで、うるしに新たな価値と信頼を。

漆は、英語で「JAPAN」と呼ばれてきたほど、古来日本の生活と文化に根差した塗料です。この漆が、現代の世界で日本の伝統文化・伝統技術として新たに認知されるためには、卓越した職人の技術で生み出される漆の品質を科学的に証明することが必要とされています。

いわて漆テック株式会社は科学的アプローチで漆に新たな価値と信頼を与え、日本の漆産業のより一層の発展を目指すべく日夜研究を続けています。

【研究内容】

漆成分の基礎研究・応用研究

  • 漆液の分析
  • 漆精製技術の研究・開発
  • 黒目漆の精製メカニズムの研究
  • 漆成分評価法の研究
  • 採取技術の開発(漆掻き機採取装置の研究開発)
  • 品質を保持した状態での長期保存を可能とする方法の研究

 

【特許内容】

『特許第7017746号 天然樹脂を含む樹液の劣化抑制方法』

漆は、ウルシ科植物から採取された樹液を加工して製造され、国産の天然樹脂として、古来より様々な用途に用いられてきました。ウルシ科植物の樹液は採取時ラッカーゼによる酸化によってメラミン化し、固形化しやすいために、収率が悪いという課題があります。

漆の国内生産量は、需要量に対し5%程度と非常に少量であり、輸入に頼らざるを得ないのが現状です。本発明は、ウルシ科植物等の天然樹脂の劣化を抑制し、天然樹脂の品質の向上と採取の効率化を図ることを目的としています。

 

『特許第7191347号 高品質黒目漆の製造方法』

漆は伝統的に、漆の樹木から採取される樹液から生漆を得て、「なやし」及び「くろめ」という精製作業を経て製造されます。従来の製造方法では、漆中の水分の科学的な定量方法が十分に検討されておらず、漆職人の経験と勘を要していました。

また、「くろめ」における加熱攪拌を4~9時間行う必要があります。長時間の加熱攪拌を行うと、その間に生漆に存在するラッカーゼ活性が減少することにより、漆の品質が低下するという問題があります。

さらに、加熱攪拌時に放出されるテレペン油成分を漆職人が吸うと漆かぶれを起こすため、健康面にも問題があります。本発明は上記の課題に鑑み、短時間で効率的に、安全面でも問題なく、一定の品質の有する黒目漆を製造するための特許となっております。

 

【住所】

〒023-0171 岩手県奥州市江刺田原字蟹沢185番地
TEL: 0197-31-1164
ホームページURL: https://urushi.tech/

 

【交通手段】

東北新幹線・水沢江刺駅より徒歩12分

李福律(最高技術責任者)

1977年 釜山大学(韓国)薬学部 卒業
1981年 同大学大学院にて修士号取得
1982-86年 大阪大学(日本)大学院にて博士号取得
1986-88年 ジョンズホプキンズ大学(米国)にて博士研究員として勤務
1988年-2020年 釜山大学にて教鞭を取る
2017年より、distinguished professor(特別栄誉教授)に任命
2020年~ 前釜山大学薬学部教授として、釜山大学に在籍

エバポレーター(減圧蒸留器)

カールフィッシャー滴定装置

擂潰機

研究室内

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