うるしコラム
いわて漆テックの「精製漆」について
今回のコラムでは、改めていわて漆テックの精製漆の特徴についてご説明してみたいと思います。
いわて漆テックの「精製漆」とは・・・
当社の精製漆は、独自の精製法で精製した良質(純漆仕様)で再現性の高い漆です。
いわて漆テックの独自精製法
【ポイント1】「擂潰機」による高分散化
従来の精製法の「なやし工程」では大きな桶などの器に漆を入れ、撹拌羽根で1時間から2時間撹拌して漆の粒子を均一均等にします。
当社はこの「なやし」にあたる工程を「擂潰機」で行います。この擂潰機による擂潰で漆の粒子を0.1μ~0.5μに均一均等に高分散化した精製漆に仕上げています。 擂潰することにより滑らかで光沢のある漆に仕上がります。
【ポイント2】「減圧蒸留器」による低温水分除去
従来の「なやし工程」に次いで行う加熱攪拌方式の「くろめ工程」ですが、この工程を当社では「減圧蒸留装置」で行い水分除去をします。
減圧蒸留装置では、減圧フラスコに漆を入れ、フラスコ内の蒸留圧力を25hpaに、フラスコ内の温度を一定に保つWP(ウォータプール)の水温を35℃に設定し、フラスコ内の圧力を下げて低い沸点で漆を沸騰させて水分を除去します。 減圧蒸留法では漆の品質に大きな影響を与えている「水分量」を規定値に仕上げることができ、できる漆の乾硬化時間や硬度をあらかじめ設定して精製する事ができます。精製時間は短く2時間前後で精製が完了します。
「減圧蒸留装置」を用いた精製では、従来の「くろめ工程」で行っている長時間高温(45℃前後)の作業はなく、漆に含まれるタンパク質の変質でラッカーゼ酵素の活性が失われることはありません。当社の精製漆はウルシオールの酸化重合を促進するカッカーゼ酵素の活性が保たれた状態の漆です。
いわて漆テックの漆の特徴
- ラッカーゼ酵素の活性が保たれた状態の漆
- 高分散漆
- 顔料以外の添加物無添加
「擂潰機」「減圧蒸留装置」で精製した精製漆は、高分散漆でラッカーぜ酵素の活性状態もよく、平潤で艶のある仕上げです。
高分散の漆は耐候性があると言われますが、当社の漆も従来製法で作られた漆に比べ多少の耐候性効果がみられ、また呂色磨きで透明感のある漆であると評価をいただいています。
さらに、当社の製品は顔料等の混合物以外の添加物は使用しておりません。