製法・基準
漆精製新技術について
漆精製新技術の要約
当社が独自開発した新技術を用いた漆の製造工程では、製造パラメーター を各機器に設定することで、精製漆を品質基準通りに製造する事ができます。
製造パラメーターは、製品ごとに求められる品質基準(水分量・粘度・光沢度・艶・硬化時間・硬度の値)によって変数を決めます。この製法は、製造基準及品質基準に合う精製漆を、科学的合理性・技術的合性に基づいて製造する製法です。安定した品質、高再現性、純成分、低コストの精製漆を製造する事ができます。
漆精製新技術による製法の構成
この製法の構成は、原料漆(生漆)の粒子を均一均等・微細化する「擂潰工程」と、漆に混ざっている塵等を取り除く「漉し処理」工程、漆に含まれる水分を除去する「減圧蒸留工程」という3つの工程で成り立っており、各工程の処理法はパラメーターによってコントロールされています。
擂潰工程では漆粒子のサイズが、減圧蒸留工程では出来上がる精製漆の水分量が製造物の品質基準値に合うように、機器装置に変数設定値を入力します
漆精製新技術による製法の特徴
- 科学的合理性・技術的合理性に基づいた高品質漆の製法である。
- 擂潰工程は、既定の粒子サイズになるよう、パラメーターを設定して行う漆粒子の粉砕及び混練である。(μ単位)
- 減圧蒸留工程は、既定の水分量になるよう、パラメーターを設定して行う水分を除去である。(%単位)
- 高い再現性及び安定した品質の精製漆を作る事が可能である。(高再現性・高品質)
- 製品毎のパラメーター設定で品質基準に適合する漆を作る事ができる。(基準値:粘度・光沢度・艶・硬化時間・硬度)
- 顧客要望に応じた品質で漆を作る事ができる。
この製法で解決できる事 ~ 従来の製法の歴史 ~
従来の精製漆は攪拌処理(なやし)・加熱攪拌処理(くろめ)によって製造されています。攪拌では木製またはステンレス製の桶内に原料漆をいれて回転羽で攪拌しながら漆粒子を均一均等にします。(なやし工程)
加熱攪拌では、漆液内に含まれる水分(15%~30%)を3%前後に減らすために、 木製またはステンレスの桶に原料漆を入れ、回転羽を回転させながら約45℃以下の熱源 で加熱しながら攪拌して水分除去します。(くろめ工程)。そして、最後に漆に含まれるごみ等を除去する製造法です。(ろ過工程) この製法は歴史的に古から行われている製法で、現在においても精製法の主役として行われています。
この製法で解決できる事 ~ 従来の製法の問題点 ~
- 従来の製法は、一回の精製で20kg以上の漆を加熱攪拌するバッチ処理であるため8時間から10時間という長い時間を要します。長時間にわたり熱を加えるため、漆の乾きを促進するラッカーゼ酵素の活性が殺がれてしまいます。
- 製造装置で、出来上がる精製漆の予定成分・品質のコントロールができないため、品質の安定性、再現性の管理ができません。品質が不規則・不安定であり、その為、品質を補強するために、添加物などを混入していることも多いです。
この製法で解決できる事 ~ 5つの特徴 ~
- 従来の製法の問題点を解決し、高品質(高再現性が高く、水分量、品質コントロール)の精製漆を作る事を実現している。
- 減圧蒸留温度30℃以下で精製するのでラッカーゼ酵素の活性が高い漆であり、硬化までの時間を短くすることができる。
- 漆の評価の基準である、粘度・光沢度(艶)・硬度・硬化時間を全て数値化し、使用者及び市販商品毎に品質表示ができる。
- 漆の使用用途・環境に合わせてパラメーターを設定して精製を管理するため、高分散漆や、添加物、増量剤、その他の混合物なく純漆仕様で低温環境で塗布できる漆が可能。(低温硬化漆については現在開発実験中である。)
- 精製工程で出る漆特有の匂いが精製装置から直接室外に排出されるので作業者に優しい製法である。
(2025年7月 いわて漆テック株式会社 及川秀悟)
